毎年、年末の診療最終日には、このブログで歯みがき(プラークを取ること)どれほど大切でそして難しいかを書いてきました。
もちろん、ブラッシングで歯に付着したプラークを取ることは大切!
あともう一つ歯を長持ちさせるために大切なことがあります。
今の衰退してゆく日本と関係している問題。
「くいしばり」
こんな顔して毎日くいしばっていたら、歯はどうなるでしょうか?
今年は、特に歯が壊れて(歯根破折)抜歯となる患者さんが急増しました。
自分で自分の歯を壊してしまう。
自傷咬合と言われています。
自傷咬合というのは文字通り自らを傷つける咬み合わせのことを言います。
正常な人は上下の歯がぶつかるのは1日24時間のうちのたったの20分と言われています。
車や航空機の金属疲労と同じように使用頻度が多ければより早く壊れやすくなります。(車、航空機も定期的にメンテナンスをしています。)これは歯も同じです。
毎日くいしばりを5時間したとすると300分です。なんと歯ぎしりをしてない人の15倍使っているという事。そう考えると自傷咬合の人は歯ぎしりのない人の1年と比べて15年老化(歯へのダメージ)していることになります。
この歯をぶつける癖(くいしばり)のある場合は常に歯のトラブルがつきまといます。
- 頻繁に金属がとれたり、つめものがとれる。歯が割れたことがある。
- 口の中に骨のでっぱりがある。
- 顎の周りの筋肉が発達している。
- 朝起きると顎がだるい。
- 歯磨きを真面目にしているのに歯周病になってしまう。
- 歯がしみる(歯医者に行くと虫歯ではないと言われる)。知覚過敏と言われるが良くならない。
- 歯がグラグラし抜けてゆく。(これ歯周病との関連もあります)
上記に思いあたる方は上下の歯を常に咬み合わせる癖があります。この感覚が脳に心地よいため中々やめることができないのです。この癖をやめることが大切です。
まずは、食べる時以外は、歯と歯は離れているということを知ること。
簡単な方法としては、身体の力を抜いてリラックスしている状態にすれば、歯と歯は自然と離れます。
更に良いのが思い悩んだ顔をやめて、笑顔にすること。笑いながら歯をぶつける事はできませんよね!
ただ、こんな事を書いている自分も実は、くいしばって生きる日本人のうちの一人。わかっていても、なかなか実践するのは難しい。
こんな笑顔で毎日過ごせるようにしたいものですね。
今年も多くの患者さんに支えられて、何とか無事に1年を終えることができました。ありがとうございました。
一緒に働いてもらった皆もありがとうございました。
少し早いですが皆様も笑顔で良いお年をお迎えください 🎍
2024年12月28日 ライフ・デンタル・オフィス 院長 羽藤伸一