「インプラントをする時に骨がないので、人工骨が必要と言われました。
人工骨って何ですか? 身体の中に入れて大丈夫ですか?」よく言われる質問です。
まず、なぜ人工骨が必要かというと、インプラントは顎の骨の中に入れます。
歯周病などで顎の骨が溶けて、骨が少なくなっていると、インプラントが顎の骨の外側に露出してしまうのですね。
下図を見るとわかりやすいです。
この骨を増やす処置には、自家骨や人工骨を使います。
自家骨(自分の骨)は、骨形成能(自らが骨をつくる力)があり優れています。
ただ、身体の他の部位から採取しなけらばならないため、採る量が限られしまいますし、身体にかかるストレスが半端ないです。
人工骨には、様々なタイプがあります。生物由来のものと化学合成されたものがあります。
生物由来のものとは、牛の骨や同種骨(他の人の骨)。
牛の骨や他の人の骨が自分の身体に入る?科学的なエビデンスがあり、問題ないとしても、何となく気持ち悪い感じがしますね。
これらの骨は厚生労働省の認可を得てないものがあり、患者さんの同意を得れないと使用できません。
現在は、化学合成骨、一択です!
今は化学合成の非吸収性(ハイドロキシアパタイト)と吸収性(βTCP)を1:1で混ぜて使用することが多いですね。
化学合成骨は採る量に制限はありませんし、厚生労働省の認可も得ています。
デメリットは、化学合成骨には、骨形成能(自分が骨になる力)がなく、骨伝導能(人工骨の周りに骨を導くだけ)なのです。
ただ、15年以上インプラント手術してますが、インプラント周囲に骨造成するには、この化学合成骨で十分骨造成ができることを確信してますし、何の問題もありません。
インプラントをされる患者さんは、人工骨を過度に心配しなくて大丈夫ですよ!