若い頃の不摂生で、仕方なく入れ歯になってしまった方が多くいます。
以前は今と違って歯の予防、メンテナンスという考えがなかったですからね。
そして歯を失っている方の多くが部分入れ歯です。(自分の歯が残っている)
大抵の方がこの部分入れ歯に満足していません。
入れ歯は、歯肉(粘膜)で咬む力を支えることになります。
部分入れ歯のように、自分の歯と入れ歯が混在していると無意識のうちに実は自分の歯の部分だけを使って食べ物を咀嚼しています。
なんでこんなことになるかと言うと、歯と歯肉(粘膜)の沈下量(咬む力が加わったときに沈みこむ量)が違うからです。
歯は垂直の力がかかると、0.05㎜〜0.2㎜、粘膜(歯肉)は0.2㎜〜2㎜沈みこみます。なんと4倍〜40倍くらい沈み込む量が違います。食べると入れ歯の部分は大きく沈みこむので、自然に自分の歯のところで咬むことになるわけ。
だから残り少ない自分の歯が酷使され、さらに歯を失うという悪い循環に。
この入れ歯の沈みこみを防ぐ方法にインプラントを使った入れ歯、
I.O.D(インプラント・オーバー・デンチャー)があります。
インプラントが入れ歯が沈み込むのを防ぎ、さらにインプラントと入れ歯がアタッチメント(ロケーター、マグネットなどがある)によって接続されるので入れ歯が安定し、自分の歯のように咬めるようになります。
ここ最近、普通の入れ歯からI.O.Dにする患者さんが増えています。
「入れ歯が痛くなくなった。なんでも咬める!」
人生100年時代。現役で頑張って活躍する時間がますます長くなってきています。あと10年くらいしたら高齢者の定義が85歳になるかもしれません。そういう時代に合わせて入れ歯の形も変わってきています。