インプラント

新しいレーザー!

さんざん迷いましたが、このレーザーに決めました。

やはりインプラント周囲炎の治療のためにはEr:YAGレーザーしかない!

インプラント体のチタン表面に直接的に照射できるレーザーは、このレーザーだけ。(薬機法で承認)

下の写真のようになるのがインプラント周囲炎です。インプラントの歯周病です。

天然の歯と違ってインプラントが歯周病のように骨が溶けてしまうと、ギザギザの部分(ラフサーフェスと呼ばれるところ)が露出してしまいます。このギザギザは骨と結合するところなので、あくまでも骨の中にないとダメなのです。

インプラント周囲炎になると、この部位が外側に露出してしまい、プラークや歯石が付着しやすくなり、さらに骨吸収しやすい状況になってしまう。

今までずっと使用してたCO2レーザー(CO2レーザーの利点も多い、決してダメなレーザーではない!)ではインプラント本体に照射すると、熱を持ってしまうのでインプラント本体に直接的に照射することができなかったのです。そのため、このように骨吸収した場合にはチタンブラシを使って除染していました。

ただ、顕微鏡レベルで見ると、スレッド(インプラントのギザギザ部分)の細かいところに付着した汚染物質は取り除くのは、ほぼ不可能。それに加えてブラシで擦るためにスレッドの表面に傷がついたり、ブラシの一部が削れて残留してしまいます。

ギザギザ部分を削って、研磨する方法もあるのですが口の中で高度に研磨するのも、やはり難しい。

普通に考えて一番良いのは、この露出した部位を無菌化し元の表面性状に戻して、そこに新しい骨を再生させることですよね。

この表面性状を元に戻すことが難しいし、そしてほぼ無理だった。

それが出来るようになってきた!

このレーザーを使うと元の新しい表面性状に近い状態まで除染できるのです。そうすれば、その表面に人工骨を置くことができます。

下図のようなやり方

このレーザー光は水に吸収されやすく、水が蒸発するときの爆発力で歯石や汚染物質が除去されます。

そのためインプラント体の表面性状が変わることなく汚染物質のみを取り除くことができるのです。(なんと画期的な考え。)

きっと、これからの臨床に強力な武器になってくれるでしょう。

でも何より予防が大切!

病気にならないようにするのが、一番です。

プラークを徹底的に取って、コンクールFでうがいしましょう。