感染症対策
感染症対策について
歯科診療の現場には、あらゆる感染リスクが潜んでいます。
血液、唾液などと常に接触する可能性のある診療現場において感染対策が十分でない場合にウィルス、細菌などが体内に侵入してしまいます。
感染経路は、さまざまで、飛沫感染や塗抹感染、接触感染などがあります。
これらは、人から人への直接的感染、または器具や設備などを介した間接的感染に分けられます。
直接的感染
飛沫感染
くしゃみ、咳、または会話をしているだけでコロナウィルス、インフルエンザウィルスのような病原体が空気中に飛沫となって拡散します。
それらの病原体が粘膜(目、鼻、口)に触れて増殖し感染が起こります。
間接的感染
エアロゾルによる感染
エアロゾルとは、唾液、血液、分泌物、回転器具の冷却水などを含む霧状の汚染水です。
ハイスピードタービンなどを使うと半径2mまで飛び散ります。
空気中に飛散した病原体は粘膜(目、鼻、口)を通じて感染を生じさせます。
表面からの感染
診療で使われるユニットチェアや設備などの表面が汚染されます。これらの表面に無防備に触れ、その手指で粘膜(目、鼻、口)に触れる事で感染が生じる可能性があります。
手からの感染
手指は、ドアノブ、お手洗いなどにも頻繁に接触をします。
そのため知らないうちに病原体を伝達してしまいます。
何気なく感染源を手で触り、その手で目、鼻、口などの粘膜を触れると感染のリスクが高まります。
上記のような感染リスクに対して当院では、ドイツ応用衛生協会「VAH 」が認定したDurr Dental Hygiene System ( デュール・デンタル・ハイジーンシステム)を採用しています。
歯科治療においては感染予防対策を徹底し、患者さんや医院スタッフが安心できる空間作りをする事が不可欠です。
デュールデンタルハイジーンシステムは、エリアを色分けする事で、歯科医院内を見落としなくトータルに衛生管理できるシステムです。
確実性や洗浄力が高く、バクテリア、真菌、ウィルスに幅広い除菌効果があり、アルデヒド、フェノール、塩素非含有のため人や材質にやさしい成分構成となっています。
4色のカラーで色分けする事で、わかりやすく確実の感染管理を行えます。
表面の除菌「グリーン」
ユニットチェア、ハンドピース、ライトのハンドルなど院内の環境表面の除菌洗浄。
器具の除菌「ブルー」
一般器具、手術器具、バー、リーマーなどの回転器具の除菌洗浄。
手指「ピンク」
感染予防に必要不可欠な手指洗浄剤。皮膚や手指の除菌洗浄。
吸引や印象体「イエロー」
デンタルチェアの吸引システムや、スピットンの排水管および分離器の除菌、脱臭、洗浄とメンテナンス。
印象体・技工物などの除菌洗浄で感染予防
上記に加えて、当然ですが以下の3点が大切です。
-
※手指の洗浄と消毒
病原体が手指によって運ばれる頻度が最も高いからです。 -
※粘膜を保護
グローブ、ゴーグル、マスクによって粘膜を保護。
(ウィルス、細菌は粘膜から侵入するからです。) -
※滅菌
除菌・洗浄に加え、当然、器具には高圧蒸気滅菌を行います。
コロナウィルスへの感染症対策
有効な消毒・滅菌は?
コロナウィルスのエンベロープ(ウィルスの表面をおおうもの)は、脂質なので、消毒用エタノールが最も有効(70%)です。(次亜塩素酸ナトリウム溶液も有効(有効塩素濃度100ppm〜500ppm)とされています。)
- 密を避けるための限定したアポイント
- 非接触体温測定(風邪症状のある患者さん)
- アルコールスプレーでの手指消毒(待合室)
- 70%アルコールでの清拭(ユニット、各ドアノブなど手指の接触する部分)
- 換気
- 受付にはアクリル板の設置
- エアロゾル飛沫を避けるため口腔外バキュームの設置